2018年7月2日月曜日

[statphys:05243] 清水研セミナー:松井千尋氏、7月11日(水)

清水研セミナーのご案内です。

素人でも分かるように「根掘り葉掘りモード」で、セミナーをやっていただきます。
http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/seminar/

興味のある方は、是非どうぞ。

清水@駒場

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講演者:松井千尋氏(東京大学数理科学研究科)

題名:準局所保存量と可積分量子スピン鎖の非平衡でのふるまい

日時:7月11日(水) 13:30-17:00
場所:東京大学駒場Iキャンパス16号館1階107号室

概要:
可積分系における準局所保存量が、可積分量子スピン鎖の非平衡での
ふるまいにどう影響するかについてお話しする。特に、XXZスピン鎖
を例にとり、次の二つの問題に焦点を当てて議論する。

1. 可積分系の緩和先
最近、孤立量子系の熱化についての議論が盛んに行われている。熱化
のメカニズムに関してeigenstate thermalization hypothesis (ETH)が提唱され、
非可積分な場合は全てのエネルギー固有状態に対してETHが成立すると
信じられている。一方で、可積分な場合は全ての固有状態に対してETHが成立
するわけではなく、その緩和先はgeneralized Gibbs ensemble (GGE)で記述
される。GGEはカノニカル分布を一般化して系がもつ複数の保存量を含む形
に置き換えたものであるが、どの程度の保存量がGGEに含まれるべきかについて
はいまだ多くの議論がある。XXZスピン鎖に関しては、準局所保存量を含む
GGEで緩和先が記述できるという一応の証拠が得られたので、それについて
説明する。

2. スピンカレントの弾道性
一次元可積分系のカレントが有限であるかどうかの議論は、実験・理論ともに
長い歴史がある。保存カレントである熱流にはじまり、非保存カレントである
スピンカレントが主な研究対象となっている。今回は、XXZスピン鎖における
外部磁場ゼロ、有限温度でのスピンカレントに焦点を当てる。非保存カレントが
長時間経過後に有限に残るかどうかは、系がもつ保存量とカレントの間にoverlap
があるかどうかで決定される。準局所保存量の性質の一つである奇のパリティ
を利用し、スピンカレントが有限であることを示す。