2018年9月5日水曜日

[statphys:05332] 【待兼山コロキウム】 9月14日 (金) 池田 晴國 氏

メーリングリストの皆様

セミナーのご案内です。奮ってご参加ください。

吉野 元@阪大サイバー
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2018年9月14日(金) 13:30 - 大阪大学豊中キャンパス サイバーメディアセンター7F
会議室
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp

池田 晴國 氏 (ENS, Paris)

楕円体におけるジャミング転移の理論的解析

小麦粉,M&Mキャンディー等,目に見える程度の大きさを持った粒子の集合体を粉体と呼ぶ.粉体は,密度や圧力が小さい場合には,液体のように振る舞うが,ある密度以上では,乱れた配置のまま運動を凍結させ,固体のように振る舞い始める.これがジャミング転移と呼ばれる現象である.特に,構成粒子を球で近似することが可能で,かつ,摩擦が無視できる場合のジャミング転移については,ここ数十年の間に,多くの研究がなされ,転移点近傍での臨界的な振る舞いや臨界指数が,第一原理理論からほぼ厳密に導出されている[1].しかし,現実の粉体では,多くの場合,構成粒子は,完全な球ではなく,摩擦も無視出来ない.こうした場合のジャミング転移については,実験や,シミュレーションを用いた多くの研究があるものの,理論的な理解は未だ不十分である.

 本研究では,現実の粉体を理解するための第一歩として,構成粒子が球でない場合のジャミング転移の解析を行った.球の場合のジャミング転移において用いられていた,スケーリング理論とレプリカ法を拡張することによって,臨界指数や,転移点での分布関数を計算することに成功した[2].特に,球形粒子のジャミングでは,2点相関関数の第一ピークが,冪的な発散を示すことが知られていたが,非球形粒子のジャミングでは,分布関数は有限の解析関数となることが分かった.また,これに起因して,転移点近傍での臨界指数も,球形粒子と非球形粒子で異なる値を取る.講演では,この振る舞いの違いが,どのような物理的機構によってもたらされるのかを解説する.

[1] Patrick Charbonneau, Jorge Kurchan, Giorgio Parisi, Pierfrancesco
Urbani & Francesco Zamponi Nat. Comm., 5, 3725 (2014)
[2] Carolina Brito, Harukuni Ikeda, Pierfrancesco Urbani, Matthieu
Wyart, Francesco Zamponi, arXiv:1807.01975 https://arxiv.org/abs/1807.01975