メーリングリストの皆様:
(重複して受け取られた場合にはご容赦ください)
名古屋大学理学部物理教室R研の川崎猛史と申します。
R研では、2月23日に下記のセミナーを予定しております。
皆様のご参加を歓迎致します。
日時
2017年2月23日(木)14:30-16:30
タイトル
強誘電体、リラクサー、反強誘電体のソフトマター物理学
講演者
高江 恭平氏(東京大学生産技術研究所)
場所
名古屋大学 東山キャンパス理学館5F 506号室
アブストラクト
強誘電性は、無機酸化物結晶、有機物結晶、高分子および液晶において広く観測される性質であり、
その誘電応答や、電気力学応答などの交差応答が基礎・応用両面で重要な研究対象となっている。
そのような強誘電体に乱れを混入することで、物質の誘電的性質が大きく変わることがある。
特にリラクサーと呼ばれる状態では、誘電率が広いピークを持ち、また顕著な周波数分散を示すことが知られている。
そこでは、ナノスケールの秩序領域(polar
nanoregionと呼ばれる)が、不均一に存在することが重要であると考えられているが、その機構は未だ明らかではない[1]。
我々はそれらの特異なふるまいを示す単純なモデルを考案し、明確な物理的描像を得ることを目的とした。
電気双極子をもつ楕円体粒子と、不純物として双極子を持たない球とを混合した系をモデルとして考える[2]。
液体状態から出発し徐々に冷却していくと、まず不純物が不均一に分布した状態で結晶化し、分極秩序は生じない(常誘電結晶)。
さらに低温に冷やしていくと、不純物濃度が低いときには強誘電秩序が発現するが、
不純物濃度を増していくと、マクロな秩序は生じず、代わりにナノスケールの秩序領域(polar
nanoregion)が不均一に存在することを発見した。
そこでは不均一に分布した不純物(chemical quenched
disorder)が分極秩序を妨げており、polar
nanoregionの形状や大きさを決めていることが明らかになった。
また系の電場応答とその周波数依存性を調べ、リラクサー的な誘電分散、および、ナノドメインの協同運動に起因する、ヒステリシスを伴う分極・ひずみの応答が得られた。
最後に反強誘電体について議論する。反強誘電相転移を起こす条件や動力学について、
構造変化や熱力学的性質に焦点をあて論ずる。
ref.
[1] K. Hirota, S. Wakimoto, and D. E. Cox, J. Phys. Soc. Jpn. 75,
111006 (2006).
[2] K. Takae and A. Onuki, arXiv:1702.01577.
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Takeshi Kawasaki, PhD.
Assistant Professor
Department of Physics, Nagoya University,
Nagoya 464-8602, Japan
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E-mail Address: kawasaki@r.phys.nagoya-u.ac.jp
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