メーリングリストの皆様
東京大学理学系研究科・佐野研究室の上道雅仁です。
東大理・本郷でのセミナーの案内をさせていただきます。
ふるってご参加ください。
日時: 1月24日(水) 15:30~
場所: 東大理学部1号館4階414号室
講師: 和田浩史(立命館大学理工学部物理科学科)
タイトル: ゼニゴケピペット
要旨:
古くから、植物のかたちやうごきは、技術、芸術、建築などの分野にインスピレーションを与えてきたが、近年、バイオインスピレーションという概念のもとに物理科学や工学の分野でも大きな注目を集めている。コケ植物の一種であるゼニゴケの雌株は、特徴的な傘のような形をしており、水を介して受精を行うために適した構造をもつ。我々はこの傘状の形態に着目し、3Dプリンタを用いてこれを模したデバイスを造形し、その物理的性質を実験的に調べてきた。具体的には、模型(デバイス)を液体に浸け、定速での引き上げによってどれだけ液体を保持できるかに注目している。デバイスの形状をきめる幾何学的なパラメータと引き上げ速度、液体の種類(水、エタノール、オリーブオイル)を変化させ、保水する領域と液体の速度依存性を詳細に測定した。その結果、液体の種類によらない普遍的な相図をみいだし、その相境界をスケーリング理論によって説明した。さらに、デバイスをある臨界角まで傾けると、液体を滴下することができる。この臨界角度および滴下量がデバイスのサイズと形状パラメータにどのように依存するか、系統的な測定を行って明らかにした。まとめると、実験結果とスケーリング理論を組み合わせ、この簡易なデバイスが毛管長をうわまるサイズの水滴を掴み、かつ滴下できることを実証した。加えて、ピペットとしての最適な形状を決定した
[1]。セミナーでは、これらの結果について紹介する。
[1] K. Nakamura, T. Hisanaga, K. Fujimoto, K. Nakajima and H. Wada,
"Plant-inspired pipette", under review (2017).
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上道 雅仁
Masahito UWAMICHI
Higuchi Laboratory, Sano Laboratory
Graduate School of Science, The University of Tokyo
7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo
113-0033 JAPAN
Email:uwamichi@daisy.phys.s.u-tokyo.ac.jp